紳士のたしなみアイテム、ベルト。一言に「ベルト」と言っても、フォーマル・カジュアルなど場面によっての使い分けが必要だったり、革やナイロンなど様々な素材があったりと多種多様。それが故に手の抜けないアイテムだと思います。
今回紹介するMARTIN F. for NEEDLES のQUICK RELEASE BELTは、カジュアル寄りですが、フォーマルな場でも使用できる上品さを兼ね備えています。なおかつ個性的なバックルと来たら、ヘビロテ確実です。それではご覧ください。
MARTIN F. for NEEDLESとは。
まずブランドの説明から。
NEEDLES(ニードルズ)は、NEPENTHES(ネペンテス)の創立者である清水慶三がデザインを手掛けるメンズブランドです。アクの強いアイテムが多く、僕の大好きなブランドの一つです。
NEPENTHESは、東京とニューヨークを拠点としたセレクトショップ。オリジナルブランドも展開しており、NEPENTHES、SOUTH2 WEST8、ENGINEERED GAREMENTSなど、さまざまなテーマのラインがある。
初代革職人の引退により生産中止となっていた「QUICK RELEASE BELT」を、NEEDLESが弟子のMartin Faizey(マーティン・フェイジー)に生産依頼し、MARTIN F. for NEEDLESが生まれました。
QUICK RELEASE BELTの魅力。
バックル編

QUICK RELEASE BELTの魅力といえば、まずはこの特徴的なバックル。元々は英国の消防士が使用していた、消火用ホースを固定しているベルトの金具をモチーフにしたそうです。


名前の通り、パーツを外すだけで「素早く取り外し」できるようになっています。僕は胃腸が弱く、トイレに駆け込むことがよくあるので、この素早さはとても重宝しています。
また、金属は真鍮素材なので、使い込んでいくと表面が酸化して独特の味わいが出てきます。
購入当初はピカピカでしたが、今はややくすんだ控えめな光り方をしています。このように、バックルにも経年変化を楽しめるのは使っていて嬉しいです。
もちろん、フォーマルな場面で美しく光らせたい!という場合には、市販の金属研磨剤や磨き布などで優しく磨けば、またピカピカになります。
優れた機能性が、個性的で美しいデザインに繋がっている、最強バックルです。
レザー編

ベルト部分には、牛革の中でも高い耐久性・独特の光沢と美しさを持ったブライドルレザーが使用されています。
ブライドルレザーとは、タンニンやロウを職人達が丹念に染み込ませて、繊維を引き締めた革のこと。
未使用時、表面に白い粉が浮き出ているが、これは染み込ませたロウが表面に浮き上がっている状態で「ブルーム」と呼ばれる、ブライドルレザー特有の現象。


購入して2年程度使用した状態です。うっすらとシワや傷が入っていますがまだまだ綺麗。どんどん使い込んで味を出していきたいです。

裏にはひっそりとNEEDLESの刻印。

革の切り口部分、コバの処理もしっかりしています。黒くコーティングされており、毛羽立ちはありません。
なお、スリム幅のナロータイプも販売されており、ワイド幅よりドレッシーな印象です。
装着感。

装着感は、一般的な革ベルトと大きく差はないと思います。
歩いている途中、屈む時などにバックルが外れないか心配される方もいますが、バックル部分に強く接触しない限り、外れることはないと思います。
むしろベルトをパンツに通して、ベルト穴に固定する際にバックルが外れてしまうことは何度もあります。ここは慣れなので今ではありませんが、最初は手こずるかもしれません。
腰回りに極上の一本を。
今回紹介したQUICK RELEASE BELTですが、デニム・スラックス・コーデュロイなど、どのパンツにも合いすぎて、購入後かなり高頻度で使用しています。
ファッションにトレンドがあるように、ベルトもその時代によって魅せ方が変わると思います。ただ、芯のある革ベルトというのは、どの時代の紳士にもマッチするのではないか…と勝手に思っています。
ぜひ、長く愛せる極上のベルトを。